この記事では、GLUの基準値やGLUの値から分かること、異常値だった場合はどのような可能性があるのかをお伝えします。
血液検査の項目にある“GLU”とは、血糖値のことで、具体的には血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度を指します。
正常域……70~100mg/dL未満
正常高値……100~109mg/dL未満
境界域……110~125mg/dL未満
糖尿病域……126mg/dL以上
正常域……140mg/dL未満
境界域……140~199mg/dL未満
糖尿病域……200mg/dL以上
高血糖はGLUが基準値より高い状態のことで、その場合は糖尿病や甲状腺疾患などの内分泌疾患である可能性が考えられます。
糖尿病に大きく関係するのが、インスリンと呼ばれる膵臓から分泌されるホルモンです。インスリンの分泌が足りなかったり、何らかの原因によってインスリンのはたらきが悪くなり、慢性的な高血糖になったりする状態がいわゆる糖尿病です。
糖尿病で高血糖の状態が続くと、糖尿病(性)網膜症、糖尿病(性)腎臓病、糖尿病(性)神経症の三大合併症や心筋梗塞、脳卒中といった動脈硬化による大血管障害の合併症を引き起こすことがあります。
糖尿病となる要因としては一般に遺伝的な原因のほか、暴飲暴食、肥満、運動不足などの生活習慣の乱れが関係していると考えられています。
また、糖尿病はインスリンのはたらきが関係している病気のため、このほかにも“75g糖(ブドウ糖)負荷試験”を行い、ブドウ糖を摂取した後の血糖値とインスリン値の時間的推移を見て診断する場合もあります。
低血糖はGLUが基準値より低くなった状態で、一般に70㎎/dLより低いと低血糖と診断されます。
食事の量が少なかったり、空腹の状態で激しい運動などを行ったり、血糖を下げる薬が多過ぎたり、あるいは薬を服用しても食事を取らなかったりした場合などにも起こります。ほかにも、膵臓の中でインスリンを分泌する細胞に腫瘍ができ、インスリンが大量に放出されてGLUが異常に低下する“インスリノーマ(膵島腺腫)”という病気が原因の場合もあります。
低血糖では、不安になる、集中力がなくなる、生あくびが出る、などの症状が現れ、さらに低くなると昏睡状態などの意識障害を引き起こす恐れもあります。