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乳がん検診―何歳になったら受けるべき?

乳がんを発見するための乳がん検診では何を行い、またどのような意味があるのでしょうか。費用なども含め、乳がん検診に関して正しい知識を持ちましょう。この分野のスペシャリストである虎の門病院臨床腫瘍科部長の高野利実先生に、お話をうかがいました。

検診で行うことは、大きくわけて以下の3つです。

直接乳房を触ることにより、しこりを見つけます。

マンモグラフィとは乳房のレントゲン撮影のことをいいます。マンモグラフィは触っただけでは診断できない小さなしこりや、しこりになる前の石灰化した微細な乳がんを発見することができます。

超音波検査(エコー検査)は、乳房に超音波をあてることにより乳がんを見つけます。

乳がん検診を受けることにより、乳がんを早期に発見し、適切な治療を受けることができ、乳がんによって命を奪われる可能性を減らすことができます。検診には、下に示すような限界や不利益もありますので、これについても十分に理解した上で、40歳をすぎたら定期的に乳がん検診を受けることが推奨されます。

  • 乳がんを早期に発見し、適切な治療を早めに受けることができる
  • 乳がんによって命を奪われる可能性を減らせる
  • 検診では見つけられない乳がんもある
  • 検診で見つけた乳がんでも致命的になる可能性がある
  • 乳がんではないのに「異常あり」と言われ、余計な検査を受けることになる可能性がある
  • 治療しなくても問題を起こすことがないような病気を見つけてしまい、余計な治療を受けることになる可能性がある
  • 上記のような「過剰診断」「過剰検査」「過剰治療」によって精神的・肉体的な負担を受ける可能性がある

各病院によって差はありますが、全額負担の場合はマンモグラフィ検診が5,000円前後、超音波検診が3,500円前後、両方検診した場合は10,000円前後になります。自覚症状がある方が受診した場合は保険診療になることもあり、費用負担が異なります。

40歳以上の方の場合は、自治体や勤めている企業が一部を負担してくれることがあり、患者さんの費用負担は0~3,000円程度になります。

がんには、「腫瘍マーカー」というがんの進行と共に増加する生体内の物質があります。基本的には血液検査で測定します。乳がんにも腫瘍マーカーがあり、具体的には「CEA」「CA15-3」などが挙げられます。これらは、進行がんに対する薬物療法の効果の参考にすることはありますが、早期がんの発見には使うべきではないと考えています。

 

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