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血便の原因は大腸がんの可能性もあり。原因として考えられる6つの病気

便に鮮血が混ざる“血便”の原因として考えられることは何でしょうか。ここでは血便の原因、血便が出たときに考えられる病気をお伝えします。

血便とは大腸や肛門が出血し、血がついた便や肛門から鮮血のみが排出されることをいいます。一方、下血とは胃や十二指腸など上部消化器から出血し、酸化した血液が便に混ざることによって黒い便(タール便)が排出されることをいいます。

血便の原因には、大腸や肛門の病気が考えられます。以下では、血便の原因として考えられる6つの病気についてお伝えします。

血便の原因として考えられる病気には、痔や大腸ポリープ、大腸がん、大腸憩室症、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎などが挙げられます。以下では、それぞれの病気についてお伝えします。

痔とは肛門の内側・外側にしこりが生じ、痛みや出血が生じる病気です。医学的には痔核と呼ばれ、肛門の内側に生じたものを内痔核、外側に生じたものを外痔核といいます。

血便の原因となりやすいのは内痔核です。内痔核はしこりや痛みを感じにくい一方、出血する可能性があり、お尻を拭いた際、紙に血が付着する程度というような場合から、便器の水が赤くなってしまうという場合もあります。

大腸ポリープとは、大腸の表面の粘膜部分が隆起してできたものをいい、腫瘍(しゅよう)性・非腫瘍性などさまざまな分類があります。大腸ポリープでは自覚症状がないこともありますが、肛門の近くにポリープが生じた場合には、血便の症状があらわれることがあります。

腫瘍性の大腸ポリープは大腸がんになる場合があります。

大腸がんとは、結腸・直腸・肛門などの大腸部分に発生するがんのことです。前述の大腸ポリープの一種である“腺腫”ががん化することによって発生するものと、正常の粘膜から発生するものがあります。

大腸がんは、初期はほとんど無症状であるといわれていますが、進行すると血便や下痢・便秘などの排便トラブル、腹痛などが生じます。血便が出ても自分では確認できないことも多いとされていますが、便潜血検査で陽性になった場合には大腸内視鏡検査を受けることもあります。

大腸憩室症とは、大腸に風船状の袋(憩室)が生じる病気です。症状が現れないことがほとんどですが、ときに憩室から出血を起こし、血便が出ることがあります。出血は自然に止まることが一般的ですが、まれに内視鏡治療や手術治療など出血を止める処置が必要になることもあります。

虚血性大腸炎とは、大腸に血液を送る動脈の血流が減少することが原因と考えられている高齢の方に多い病気です。腹痛、血便、下血を伴うことがあります。

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に潰瘍が生じる炎症性疾患です。下痢や腹痛の症状が生じ、血便が生じることもあります。また、重症化すると発熱や体重減少、貧血などの症状があらわれることがあります。

便をチェックすることは実はとても大切です。特に痔の方は出血に慣れている場合もありますが、実は大腸がんが原因だったということもあるため、一定の頻度で大腸内視鏡検査を検討しましょう。