日本人の40歳以上の2人に1人が高血圧であると言われています。まさに、日本の「国民病」とも言える高血圧ですが、なぜ高血圧になるのでしょうか? 高血圧の原因について、日本赤十字医療センターの上條由佳先生にお聞きしました。
血圧とは、「血管の中を流れる血液が、血管の壁に与える圧力」のことです。そして、血圧が基準値以上になっている状態が続く場合、これを高血圧といいます。
参考記事:高血圧とは
高血圧はその原因により、「一次性高血圧」(本態性高血圧 ともいいます)と「二次性高血圧」に分けられます。
「一次性高血圧」とは、明らかな異常がないにも関わらず血圧が高い状態です。日本人の高血圧の90%は、一次性高血圧だと言われています。
明らかな異常はありませんが、血圧を上げている要因は分かっています。以下のようなものが挙げられます。
一方、「二次性高血圧」とは、高血圧の原因となるような病気があるものをいいます。
二次性高血圧は、それぞれの原因に即した治療を行うことにより、治癒・改善する可能性があります。
特に以下のような高血圧は、この二次性高血圧の可能性が高いです。
二次性高血圧には、以下があります。
腎臓病によって起こる高血圧です。
腎動脈(じんどうみゃく)という腎臓に向かう血管が狭くなったり詰まったりすることによって起こる高血圧です。
体の中でホルモンが過剰に分泌されることによって起こる高血圧です。
睡眠時無呼吸症候群が原因となって起こる高血圧です。夜寝ている間に低酸素になることが原因だと考えられています。
遺伝によって起こる高血圧です。
NSAIDs、甘草、プレドニゾロンなど薬による作用や副作用により起こる高血圧です。
高血圧になる原因の一つとして、塩分の摂りすぎが挙げられます。
日本では40歳以上の2人に1人が高血圧であり、高血圧の割合が非常に高いのですが、これは日本人の塩分過多な食生活がその原因の一つではないかと考えられています。日本人は他国に比べ、塩分摂取量が多いのです。
具体的には、アメリカ、ヨーロッパなどでは1日の塩分摂取量が8〜10gですが、日本では10g前後となっています。これは、日本の伝統的な食文化である、味噌や醤油などの塩分の高い調味料・漬物などの塩分の高い保存食が関係していると考えられています。現在、食塩摂取量の目標は6g/日が推奨されています。
参考記事:高血圧の治療