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経口糖尿病薬の基礎知識

糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法です。
食事療法と運動療法を2~3か月行った後に、それでも血糖のコントロールがつかない場合は飲み薬が使われるのが一般的です。

ただし、現在は

  1. 副作用の少ない薬剤が多く使えるようになったこと
  2. 早い時期から薬物療法を行うことで、糖毒性(血糖が高くなることでさらにインスリンのはたらきを悪くしてさらに血糖を上げてしまうこと)を防ぐ効果が期待できること

から、早い時期から薬物療法を併用していく場合もあります。

薬物療法を始める基準は、一般的には、食事、運動療法を行っても、HbA1cの値が8%または7.5%以上のときといわれています。HbA1cの値が7%前半でも薬物療法を開始して、よくなったら薬物をやめるという、早期治療を行う場合もあります。

2型糖尿病は「インスリンがあまり出なくなっている」と「インスリンは出ているものの効きが弱くなっている(インスリン抵抗性)」の組み合わせで発症します。糖尿病治療の飲み薬もいろいろなタイプに分かれており、患者さんの病態に合った糖尿病薬が処方されます。具体的には、大きく以下の4タイプの薬に分類することができます。

  • スルホニル尿素薬 /グリメピリド、グリクラジドなど
  • 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド系薬剤) /ナテグリニド、ミチグリニドカルシウム水和物、レパグリニドなど
  • DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬(インクレチン関連薬)/シタグリプチンリン、リラグルチド など
  • チアゾリジン薬 /ピオグリタゾン塩酸塩など
  • ビグアナイド薬 /メトホルミン塩酸塩など
  • α-グルコシダーゼ阻害薬 /アカルボース、ボグリボース、ミグリトールなど
  • SGLT2阻害薬 /イプラグリフロジンなど

薬による治療を一度始めてしまうと、その後ずっと薬物療法を続けなければいけないのではないかという不安を持たれている方は多いと思います。

しかし、薬を用いることで、血糖値が改善すれば、薬物療法はやめることができます。また薬の種類によって、やめやすい薬とやめにくい薬があります。糖尿病薬の中でも、ビグアナイド薬とDPP4阻害薬は比較的やめやすい薬として知られています。