日本でも接種が始まっている新型コロナワクチン。日本ではファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンが承認されていますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
国内で供給された、または供給される予定の新型コロナワクチンには、以下の種類があります。
いずれも病原体を構成するタンパク質の遺伝情報を投与するワクチンです。その遺伝情報から病原体のタンパク質が体内で作られ、そのタンパク質を病原体と認識して反応することで免疫がつきます。
ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンの有効率は以下のとおりです。
なお、それぞれのワクチンの有効率は異なる研究において算出された結果なので、それぞれの有効率の数値で優劣を単純に比較することはできません。
有効性については3社とも一定の発症予防効果が認められており、重症者の発生を減少させる効果も期待できます。ただし、まだ接種開始から日が浅いため、ワクチンの効果がいつまで続くのかなど、今後もさらなるデータを集めていくことが必要です。
どのワクチンも承認前の臨床試験で一定の安全性が確認され、世界中で接種されています。主な副反応は、いずれのワクチンも接種部位の疼痛(痛み)、疲労、頭痛、筋肉痛、悪寒、関節痛などです。
また、アナフィラキシーやその他の重篤な副反応(命に関わるものや後遺症が残るもの)の頻度や程度は、現状では許容の範囲とされています。
なお、アストラゼネカ製ワクチンでは、まれに血小板減少を伴う血栓症が起こるという報告が海外でされています。ただし、頻度は接種約10万~25万回に1回ほどと極めて低く、適切な診断や治療法に関する情報共有も行われています。一般的な血栓症とは治療法などが異なるため、注意すべき症状や注意点について事前に周知しておくことが大切です。
どのワクチンも一定以上の有効性があることが分かっており、新型コロナウイルス感染症の予防に有用と考えられます。ただし、いずれのワクチンにも副反応が生じる可能性はあります。事前に十分な情報を得たうえで、ワクチンを打つかどうか判断するとよいでしょう。