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小児の慢性糸球体腎炎 IgA腎症と紫斑病性腎炎について

「小児の糸球体腎炎とは 急性と慢性それぞれの特徴」では、急性と慢性それぞれの糸球体腎炎についてご説明しました。この記事では引き続き、慢性糸球体腎炎のなかでも小児で比較的多くみられる「IgA腎症」と「紫斑病性腎炎」について詳しく説明します。横浜市立大学 小児科学教室(発生成育小児医療学) 教授の伊藤秀一先生、横浜市立大学付属市民総合医療センター 小児総合医療センター 松村壮史先生にうかがいました。

IgA腎症は、学校検尿や風邪をひいたときの肉眼的血尿(褐色や赤色の尿)をきっかけに発見されることが多い疾患です。小学校高学年から中学生が発症の好発年齢で、女児よりも男児に多いといわれております。IgA腎症は、IgAという粘膜で働く抗体が腎臓の組織に沈着し、糸球体に炎症が生じ血尿や蛋白尿が出現します。アジア人に多い腎炎です。IgA腎症の確定診断には腎生検が必要で、血尿に加え蛋白尿が持続する場合が腎生検を行う基準です。

治療は、蛋白尿の程度(1日に何グラムの尿蛋白が出ているか)、腎機能、腎生検の所見 (メサンギウム細胞の増殖の程度・半月体の程度、硬化性病変の有無など)をもとに決定します。病理所見や蛋白尿の程度が軽度であれば、降圧薬や抗血小板薬などの内服で通院による治療を行います。蛋白尿が高度(1日0.5g~1g以上)である場合や、病理所見でメサンギウム細胞の高度増殖・半月体形成を伴う場合はステロイド薬や免疫抑制薬、降圧薬などを組み合わせた多剤併用療法(カクテル療法)を行います。カクテル療法は通常2年間行いますが、最初の1か月は入院して行うことが多いです。

上記の治療以外に、成人のIgA腎症ではステロイド薬以外に治療開始時に扁桃腺の摘出術を行うことが多いですが、小児ではその有効性に関しては賛否両論です。ただし、扁桃腺炎によって肉眼的血尿をくりかえしている患者さんや、カクテル療法を行っても尿蛋白の改善が乏しい患者さんには適応があります。

IgA腎症の予後についてですが、1989年以前では系統的な治療が行われず発症後15年の腎生存率は80.1%と約20%の患者さんが腎不全と進行しておりました。しかし、1990年以降にIgAと診断された患者さんの15年腎生存率は98.8%と劇的に改善しております。ただし、これは早期発見、早期治療が前提ですので、学校検尿での尿の異常や風邪をひいた際の肉眼的血尿を認めた場合には、必ず小児腎臓専門医の診察を受けましょう。

紫斑病性腎炎は、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(現在の正式名称はIgA血管炎)という病気になった方に発症する慢性腎炎です。ヘノッホ・シェーンライン紫斑病は小児に多く、17歳未満の発症率は年間10~20人ですが全体の約半数は5歳以下です。男児に多い(女児の1.2倍~1.8倍)といわれています。

原因ははっきりわかってはいませんが、咽頭炎などをきっかけとして、IgAという免疫成分が小血管に結合することで血管に炎症が起き(血管炎)、発症するといわれています。IgA腎症とは病気の成り立ちに共通する部分が多く、類似または同一疾患の可能性もあります。症状は下枝や臀部の紫斑(小さい出血斑)、関節症状(関節の腫れ、痛み)、消化器症状(腹痛、血便)、腎症状(血尿、蛋白尿)が特徴で、特に紫斑は経過中ほぼ100%の人にみられます。

紫斑病性腎炎はヘノッホ・シェーンライン紫斑病になった方の約20%~60%に認められます。無治療でも約80~90%の人は自然によくなるといわれていますが、高度の蛋白尿が持続する場合、発症後半年が経っても蛋白尿が持続する場合、腎機能が低下した場合には治療が必要となります。治療前に腎生検を行い、治療方針を決定します。

前述したように、紫斑病性腎炎は上述のIgA腎症と病理所見がとても似ています。そのためIgA腎症と同様な治療法を行います。高度の蛋白尿が持続する場合や病理所見で半月体が認められた場合には、ステロイド薬や免疫抑制薬を用いたカクテル療法を積極的に行うことが多いです。IgA腎症と同様に最初の1か月は入院し、カクテル療法は2年間行うことが多いです。

〈参考文献〉 国立成育医療研究センターBookシリーズ 子供の腎炎・ネフローゼ (五十嵐隆 監修、伊藤秀一 編)

〈参考リンク〉 横浜市立大学 発生成育小児医療学教室(小児科学) ウェブサイト