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ぶどう膜炎の検査と診断ー問診の重要性とは?

ぶどう膜炎の原因特定は、目だけでなく内科的な診断も必要なため非常に難しいといわれています。東京都立広尾病院眼科医長の宮永将先生にぶどう膜炎の診断についてうかがいます。

「ぶどう膜炎」と診断されると、炎症が起きている原因を特定するためにまずは問診を行います。ぶどう膜炎の原因となる疾患は、免疫反応によるものから寄生虫によるものまで多岐にわたります。そのため、口内炎の頻度はどのくらいか、リンパ節の腫れはないか、最近生肉を口にしていないか、飼っているペットは何かなど、身体症状からライフスタイルまでさまざまな情報を必要とします。

また、ウイルス性の可能性を考慮すると、ご両親の出身地まで問診することもあります。ある特定の地域に多いウイルスによってぶどう膜炎が起きていることもあるからです。このように、ぶどう膜炎の診断において問診は非常に重要なのです。

サルコイドーシスや結核の判別のために、胸のレントゲン検査やツベルクリン反応の検査を行います

そのほか、通常の検査では行わないような、免疫関連の項目やヘルペスや梅毒、トキソプラズマなど感染症・寄生虫判別のための血液検査を行います。

ただし、ぶどう膜炎は裏に隠れた原因がとても多いため、原因疾患の特定となると内科的な診断や多くの検査を必要とします。確定診断のためには、まずは、多くの検査が可能な大学病院や、ぶどう膜炎の専門外来を行っているクリニックを受診することをおすすめします。

最近では、一部の大学病院などで目の中の房水をとってPCR※にかけ、ウイルスや細菌、真菌などがいないかどうかを調べる検査も行っています。ぶどう膜炎専門外来は、病院のホームページなどで調べることもできます。はじめから大きな病院へかかるのが難しい方は、お近くの眼科医に相談して紹介状を書いてもらうのもよいでしょう。

※PCR(polymerase chain reaction/遺伝子検査法)…検査したい対象(この場合は房水)の中のウイルス量はごくわずかであり、ウイルスがいるかどうかそのままでは確認することができないため、ウイルスの遺伝子を人工的に増やして確認する方法。